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歯科矯正は抜歯を必ずするの?

抜歯しない歯列矯正が必ずしも正しいわけではない

矯正歯科やクリニックを探してさまざまなホームページを見てきた人なら、多くの矯正歯科やクリニックが「天然の歯を生かす歯列矯正」「歯を削らない、抜かない矯正」を掲げているのを見てきたことでしょう。

確かに、永久歯は一度抜いたらもう生えてこないので、むやみに抜歯するのはいいことではありませんし、なにより痛みを伴います。では、どんなケースであっても、歯列矯正では抜歯をしないのが正しいのでしょうか。

確かに、矯正治療では「抜く必要のない歯は抜かない」「天然の歯を生かす」が基本です。しかし、口内の状態や歯並びは一人ひとり異なるもの。すべてのケースにおいて「抜歯しない矯正治療」が常に有効かというと、そうとは限らないのです。

日本歯科矯正専門医学会が歯列矯正治療における抜歯率についての調査を行ったところ、全国で抜歯率が30から60%未満の歯科医院は約48%、60~90%の歯科医院は約35%という結果が出たとされています。また、矯正治療専門歯科医院では、抜歯率が60~90%の歯科医院が約58%、90%の歯科医院が約27%だったというデータもあるようです。全国の歯科医院と矯正専門歯科医院で差異はあるものの、抜歯を伴う矯正治療の比率は、矯正治療全体において決して少なくない部分を占めているかもしれません。

矯正治療において抜歯を行う理由

限られたスペースに歯を収めるため

乱れた歯列の例にはたくさんの種類がありますが、その中には「あごに歯がきちんと並ぶだけのスペースがない」というケースがあります。限られたスペースにたくさんの人がぎゅうぎゅうに詰まっているような状態です。

このようなケースでは、限られたスペース内できちんと歯を並べるために邪魔になる歯を抜かなくてはいけません。もしも抜歯をせずに矯正治療を行うと、歯が外側や内側に押し出され、かえって歯並びが悪化してしまうリスクもあります。

歯根を安定させるため

限られたあごのスペースに歯を収める方法としては、主に小児矯正で行われる、抜歯せずにあごの骨を拡張する施術も挙げられます。

しかし、あごの骨の拡張には限界があり、無理に広げ過ぎると歯だけでなくその根元である歯根部分までもが不適切な位置に移動してしまうことも。歯根に悪影響が及ぼされると、治療終了後には歯の神経が死んでしまったり、歯が安定できずにぐらついたりするようになるため、注意が必要です。

もちろん、多くの歯科ではこういったリスクを踏まえ、無理にあごの骨を広げるような施術は行いません。あごの骨の拡張が難しい場合、抜歯による施術が必要となります。

第二大臼歯の機能維持のため

抜歯せずに無理に矯正治療を行うとさまざまな部分に不具合が出ます。その不具合のひとつとして、すべての歯の中で二番目に大きな歯である第二大臼歯が斜めになってしまうという問題が挙げられます。

この第二大臼歯は歯の中でも、かみ合わせに大きな影響を及ぼす歯。機能維持のためには、ほかの歯を抜歯したほうがいい場合もあります。すべての歯はそれぞれ大切な機能を担っていますが、特に第二大臼歯は優先度の高い歯であるため、歯科矯正の治療では注意が必要なのです。

矯正終了後の歯並びの維持のため

矯正治療は長い目で見ていく必要があります。いくら矯正治療終了後に歯並びがきれいになっていても、その後に後戻りが起きては意味がありません。それを防ぐため、矯正治療終了後は矯正器具の代わりに「リテーナー」と呼ばれる器具を装着。移動した歯の保定を行うのです。

しかし、抜歯しない矯正治療は、抜歯した矯正治療に比べて後戻りの力が大きいことが問題となります。矯正治療終了後の歯列の維持を考えた場合、無理に歯を残すよりも抜歯したほうがいいケースもあるのです。

出っ歯の矯正のため

出っ歯の矯正は、前に出た前歯を内側に引き入れることで行います。その際、前歯を引き入れるための隙間を作るため抜歯が必要となるのです。抜歯をせずに出っ歯の矯正をしようとすると、その隙間を作れないのでどうしても無理が出てしまい、かみ合わせをきれいにするのが難しくなってしまいます。

抜歯をしないとこんなトラブルが起こる

歯茎が下がる

抜歯をしないとスペースが作れないので、どうしても限られたスペースに無理に歯を並べることになります。すると歯は本来の位置よりも外側にずれてしまい、歯根部分が骨の土台部分からもずれてしまうのです。結果、歯茎が下がるリスクが高くなります。

前歯が突出する

歯が生えているスペースに十分な空きがないと、どうしてもどこかの歯に圧力がかかり、その歯が押し出されてしまいます。特に前歯はその傾向が強く、抜歯しないでいると前へ突出しやすくなり、横顔は口先がとがったシルエットになる場合もあるのです。

奥歯がずれる

抜歯しないでいると悪影響があるのは前歯だけではありません。無理にすべての歯を並べようとして順番に歯に圧力がかかっていき、最終的にいちばん奥にある奥歯が斜めに倒れる、ずれるといったリスクが現れます。

抜歯される歯の種類

小臼歯

抜歯する矯正治療の際、たいていの場合は犬歯と六歳臼歯の間にある小臼歯が抜歯されます。小臼歯は2本あり、そのうち1本を抜きます。

小臼歯はほかの歯に比べてかみ合わせへの影響が少ないので、小臼歯を抜いて歯並びを調整するのが一般的なのです。よほどの理由がなければ、小臼歯以外の健康な歯を抜くことはありません。

状態の悪い歯

虫歯がひどい歯・歯周病になっている歯・神経が抜かれている歯などは残しておいてもメリットはないので、優先して抜歯されます。特に虫歯や歯周病になってしまった歯は、残しておくと他の健康な歯にまで悪影響を及ぼしてしまうため、多くの矯正歯科では治療前に抜歯してしまうことをおすすめしています。

親知らず

親知らずがあるせいでかみ合わせが悪くなっていたり、親知らずの生えている方向のせいでうまく矯正ができなかったりする場合は、親知らずを抜く場合があります。

ただし、親知らずがあれば必ず抜歯されるというわけではなく、かみ合わせやほかの歯の矯正に問題がない場合、抜歯せずに残すこともあります。

過剰歯

過剰歯とは、歯茎の中に埋もれたままになっている余分な歯のことです。過剰歯が残ったままだとほかの歯をうまく矯正できないうえ、かみ合わせに関しても悪影響を及ぼします。かみ合わせの良い親知らずとは違い、過剰歯は優先的に抜歯されます。

抜歯しない矯正方法

奥歯を移動させる

奥歯をさらに奥に移動させることでスペースを作り、歯列を矯正します。この際、親知らずがあった場合は親知らずの抜歯が優先されます。

歯列の幅を拡張する

床矯正と呼ばれる、あごの骨を拡張させる施術方法です。歯はU字型の骨である「歯槽骨」にそって生えています。この歯槽骨のアーチ部分を拡張することで、歯を移動させるスペースを確保します。拡張と言っても数ミリなので、顔の印象が大きく変わることはありません。

床矯正は成長期の子供に効果があるため、小児矯正で主に行われます。

歯を削る

歯の表面はエナメル質の層で覆われています。この層を削ることでスペースを作ります。1本の歯を削る範囲は1mm以下ですが、5~10本ほど削ればある程度のスペースを確保できます。矯正歯科によっては削った後にフッ素コーティングを行い、虫歯対策を行います。

抜歯の手順について

基本的には虫歯の治療と同じで、局所麻酔から始めます。通常、歯と骨はくっついた状態で歯茎に埋まっているため、まず繊維を断裂させて、骨から歯を専用の器具で脱臼させます。局所麻酔があるので痛みはなく、多くの人は歯や歯茎を押される感覚だけ覚えます。

歯を脱臼させたら鉗子を用いて歯を引き抜きます。残った組織をきれいにしたら、止血処置をして処置は終了です。処置全体にかかる時間は、およそ20~30分となります。

もちろん、抜歯する歯の状態によって処置内容や時間は変わってきます。歯の角度が悪い場合、歯を少しずつ砕きながら抜いたり、歯が歯茎に埋まっている場合は歯茎を切開して抜歯をしたりします。その他、矯正歯科では抜歯する歯の状況に合わせ、さまざまな処置によって対応します。

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